日本が最高の研究パフォーマンスを出すために、チームとファシリティはどこまで最適化できるか?

メタメタサイエンスLIVEイベント

日本が最高の研究パフォーマンスを出すために、チームとファシリティはどこまで最適化できるか?

開催日時:2021年1月29日(金)15:05〜16:35
開催方法:Zoomミーティング

現代において、研究は研究者ひとりの力では成り立っていません。一つの研究プロジェクトを結実させるためには、研究を総合指揮するPIだけでなく、研究機材や実験設備などのファシリティのちからが必要です。そして研究費の出資者、共同研究者、事務職員、URA、実験を行うポスドクや学生、研究機材を動かす技術職員など、多くのアクターが関わり、チームのちからで研究成果を生み出しています。

しかし、日本では研究機材共有の仕組みが整っていないため、年に数回しか活用しないような高額の研究機器が同じ研究機関に複数あるなど、ファシリティの最適化がされていないという「ものの仕組み」の問題があります。また、研究の分業化が進んでおらずPIに膨大な責任と業務がかる一方で、実験を動かしている技術職員は研究のクレジットを業務実績として蓄積する方法がなく、実績に基づく昇進・昇給といったキャリアパスが整備されていない「ひとの仕組み」の問題があります。

こうした研究を支える「システム・ひと・もの」、研究パフォーマンスをあげる上で欠かせない要素である「研究基盤」の整備を組織、分野、役職を超えて全国規模で議論する新たなフォーマットとして今年、「研究基盤EXPO2021」が2021年1月22日〜29日に研究基盤イノベーション分科会(IRIS)※の主宰で開催されます。この研究基盤の問題について取材をしてきたScienceTalksでは、今回、IRISと連携し、研究基盤EXPO2021の最終日「研究基盤協議会プレイベント」に合わせてオンラインでトークライブを開催します。研究基盤政策のエキスパートである江端新吾氏(IRIS主査)を話題提供者に、大学経営者、技術職員、理化学機器メーカーの企業社員、研究者という多様な論客を迎え、現代の大学にとって理想の研究ファシリティと、最大限のパフォーマンスを生み出す研究チームのあり方を議論します。

トークライブ中に、参加者のみなさまからの質問・コメントを受け付け、可能な限り回答やディスカッションをしていくインタラクティブなイベントにしたいと思っております。ぜひ奮ってご参加ください。

※研究基盤イノベーション分科会(IRIS)は、「研究基盤を研究し、イノベーションを起こす仕組みの構築へ」をテーマに研究者・技術職員・事務職員・URA等全てのステークホルダーが集まる議論の場として、2019年12月に研究・イノベーション学会に設立された新たな学会組織です。詳しくはこちらをご確認ください。


トークライブの内容・論点

【オープニング】論点紹介と自己紹介(10分)

【論点1】現代の大学にとっての理想の研究ファシリティを考える!(20分)

  • 機材のシェアリングエコノミーはどこまで可能か?
  • 大学は現状の制度でどこまで研究ファシリティコストの最適化ができるのか?
  • 学内・学外、どこまでファシリティの共用が進むべきか?今起きている国内外のベストプラクティスとは?共用を進めるメリットとは?

【論点2】研究の主役は研究者だけか?最強の研究チームと役割分担とは?(20分)

  • PIに全てを委ねる日本の研究環境と人材の現状、海外との比較
  • 最適なチームをデザインする・研究にはどんなアクターが必要なのか?技術職員の立ち位置は?
  • 日本の技術職員は雑用係?持続可能なスゴいテクノロジストの育て方

【論点3】最高の研究パフォーマンスを生み出す未来へ(20分)

  • 最高の技術職員とファシリティに誰にでもアクセスできる未来
  • その未来にたどり着くために超えなければいけない課題やマインドチェンジ

【クロージング】参加者のみなさんとの質疑応答・ディスカッション(20分)


論客(パネリスト)

江龍 修(えりゅう・おさむ)
名古屋工業大学 理事・副学長 

岡 征子(おか・せいこ)
北海道大学 グローバルファシリティセンター 機器分析受託部門長

 

 

 

江端 新吾(えばた・しんご)
東京工業大学 戦略的経営オフィス 教授

 

 

 

片桐 友二(かたぎり・ゆうじ)
外資系理化学機器メーカー 営業部長
一般社団法人科学・政策と社会研究室 上席研究員

 

 


司会

岩崎 渉(いわさき・わたる)
東京大学大学院理学系研究科准教授。専門はバイオイフォマティクス。

 

 

 

川口 慎介(かわぐち・しんすけ)
JAMSTEC 超先鋭研究開発部門、研究員。専門は深海の科学。

 

 

 


参加方法(参加費無料・定員100名)

  • 本イベントは「研究基盤EXPO 2021」内で開催する「研究基盤協議会プレイベント」内で行います。参加希望の方は以下のボタンをクリックして、開催前日までに「研究基盤EXPO 2021 共通申込フォーム」から参加登録(無料)をしてください。ご登録の際に、「参加について」欄で「研究基盤協議会プレイベント(1/29)」に参加のチェックマークを入れてください。ご登録いただいた方には後日大会事務局よりZoomミーティングのリンクをメールでお知らせいたします。>>研究基盤EXPO 2021のプログラムはこちらから
  • 当日は音声をミュート、カメラをオフにしてご参加ください。イベント中、ご質問やコメントをチャットボックスで随時受け付けておりますので、ご自由にコメントで発言してください。みなさまからの活発な議論を楽しみにしております。
参加登録する

 

Related post

チベットの研究を通して見えてきたもの

チベットの研究を通して見えてきたもの

自分自身のしたいことを貫いて進んできた井内先生だからこそ見える世界、今後、チベットの研究をより多くの方に知っていただく活動にもたくさん力を入れていくそうです。これまで歴史の研究について、そして、チベットのことあまり知らないという人にもぜひとも見ていただきたい内容です。
チベット史の空白を明らかにしたい 日本のチベット研究者

チベット史の空白を明らかにしたい 日本のチベット研究者

0世紀から13世紀頃までのチベットでは、サンスクリット語からチベット語に膨大な数の経典が翻訳され、様々なチベット独自の宗派が成立したことから「チベットのルネッサンス」と呼ばれますが、この時代について書かれている同時代史料がほとんどありません。この「チベット史の空白」を明らかにしようと、日々研究されている京都大学白眉センター特定准教授の井内真帆先生にお話を伺っていきます。
自由な環境を追い求め『閃』が切り開いた研究人生

自由な環境を追い求め『閃』が切り開いた研究人生

後編では、黒田先生がどうして研究者になったのか?どのような思いを持ち、日々研究されているのか?などの研究への愛について語ってもらっています。自由な研究環境を追い求め、自由な発想をされる黒田先生だからこそ、生まれる発見がそこにはありました。