【衆院選2017】科学技術政策アンケート 各政党の回答を公開
- お知らせ日本語記事科学技術政策アンケート
- October 17, 2017
衆議院選挙の投票日、10月22日(日)が近づいてきました。投票予定の政党はもうお決まりですか?
サイエンス・サポート・アソシエーション(SSA)、日本の科学を考えるガチ議論、ならびにScience Talksでは、今回の選挙でも各政党宛てに科学技術政策に関する公開アンケートを実施し、10月17日現在、6党からご回答をいただきました。設問ごとに各党の政策の違いをまとめましたので、投票の参考としてご利用ください。
回答いただいた政党は自由民主党・公明党・立憲民主党・幸福実現党・日本維新の会・日本共産党(順不同)です。各党のご担当の皆様、ご協力誠にありがとうございました。
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1-a. 日本の科学技術予算を今後どうするべきか?
現在日本の科学技術関連予算(政府負担研究費)は約3.5兆円です。研究費総額に占める政府負担の割合は、欧米諸国が30%前後であるのに対し、日本は18.4%(2014年)です(参考)。科学技術関連予算の総額について、今後どのようにしていくべきだと思いますか?
[aside]自由民主党
「増やす」
科学技術イノベーションはわが国の持続的な成長・発展や地球規模の課題対応に向けて重要な役割を担う鍵となるものであり、国をあげて科学技術イノベーション政策を強力に推進していく必要があります。
自民党J-ファイル2017該当部分
「第5期科学技術基本計画(平成28年1月閣議決定)」に基づき、ここで掲げられた幅広い取り組みを着実に実行していきます。特に、諸外国が科学技術投資を大幅に増やす中、近年、わが国の科学技術予算が停滞しており、このままでは科学技術先進国としての地位を失う恐れがあることに強い危機感を持っています。そこで、同基本計画で掲げられた期間中の官民合わせた研究開発投資の対GDP比4%、政府研究開発投資の対GDP比1%、総額約26兆円の達成に向けて、官邸主導で毎年の科学技術予算を確実に措置するとともに、これらの予算の戦略的な配分を行っていきます。[/aside]
[aside]公明党
「増やす」[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
科学技術関連予算の増額とともに、その内容についても検討していきます。[/aside]
[aside]幸福実現党
「増やす」
未来産業の創出に向けて、科学技術振興を図る必要性があるため。[/aside]
[aside]日本維新の会
「増やす」
基礎研究を中心に民間が投資を行いにくい分野が存在している。一方で、そのような分野に属する技術等が将来の大きな市場へと発展する可能性もあり、政府が資金を投入することは合理的と考えられるため。[/aside]
[aside]日本共産党
「増やす」
基礎研究を重荷になっている大学の関係予算はGDP(国内総生産)比で欧米諸国の半分の水準にすぎません。教育研究条件が劣悪で、学生の負担が世界に例をみないほど重くなっています。学術、教育の発展は「国家百年の計」であり、将来をみすえた大学への投資こそ、時代を担う若者をはぐくみ、21世紀の社会発展に貢献します。欧米諸国は、この10年で大学への研究開発費を3~5割増やし、韓国は2倍化、中国は4倍化し、学術論文数が飛躍的に増えています。教育研究条件の整備をはかることは国の責任であり、欧米並みの大学予算を確保する必要があります。[/aside]
1-b. 科学技術関連予算のうち、基礎研究費の割合を今後どうすべきか?
科学技術関連予算のうち、基礎研究費の割合について今後どうするべきだと思いますか?
[aside]自由民主党
「現状維持」
科学技術イノベーションの推進にあたっては、イノベーションの源である多様で卓越した知を生み出す基盤を強化することが重要です。同時に、未来の産業創造や社会変革、経済・社会的課題への対応のための社会実装に向けた研究開発を推進することが重要であり、基礎研究と応用研究のための予算をともに増額していくことが必要です。[/aside]
[aside]公明党
「増やす」
イノベーションの源泉となる基礎研究とともに、基礎研究の成果を応用して実用化を探る応用研究をともに強化していくことが重要と考えます。[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
基礎研究については、予算の充実はもとより、各大学や研究機関の研究分野の重複が多くみられることに鑑み、それぞれの強みや特性を踏まえて、共創を残しながら選択と集中を図るべきだと考えます。[/aside]
[aside]幸福実現党
「増やす」[/aside]
[aside]日本維新の会
「増やす」
基礎研究を中心に民間が投資を行いにくい分野が存在している。一方で、そのような分野に属する技術等が将来の大きな市場へと発展する可能性もあり、政府が資金を投入することは合理的と考えられるため。[/aside]
[aside]日本共産党
「増やす」
科学、技術は、国がその多面的な発展をうながす見地にたって、研究の自由を保障し、長期的視野からのつりあいのとれた振興をはかってこそ、社会の進歩にひろく貢献することができます。とりわけ、基礎研究は、目先の経済的利益につながらなくとも、科学、技術の全体が発展する根幹であり、ここにこそ国の十分な支援が必要です。基礎研究が枯れてしまえば、政府がいうイノベーションも望むことができません。[/aside]
1-c. 予算費目の重要度について
以下の予算は科学技術関連予算より優先しますか? 以下が科学技術関連予算より優先する場合は〇、優先度が同じ場合は△をお書きください。
- ( ) 社会保障費(年金)
- ( ) 社会保障費(介護)
- ( ) 社会保障費(医療)
- ( ) 公共事業費
- ( ) 国防・軍事費
- ( ) 初等・中等教育費
- ( ) 高等教育費
- ( ) 宇宙開発費
[aside]自由民主党
「その他」
どの予算も重要であり、優先度を決めることはできません[/aside]
[aside]公明党
〇…社会保障費(年金、介護、医療)、初等・中等教育費、高等教育費[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
予算額と内容について総合的に検討し、予算配分を行うべきだと考えます。[/aside]
[aside]幸福実現党
〇…国防・軍事費
△…他選択肢すべて[/aside]
[aside]日本維新の会
「その他」
上記の全ての分野はいずれも重要である。[/aside]
[aside]日本共産党
△…社会保障費(年金、介護、医療)、初等・中等教育費、高等教育費、宇宙開発費
日本の国民1人当たりの公的社会支出は、ドイツの8割、フランスの7割です。社会保障給付費の対GDP比は、1990年代依頼、高齢化によって上がり続けてきましたが、2012年末の安倍政権発足後、3年連続で下がっています。
日本の教育への公的支出(対GDP比)は、先進国で最低レベルの状態が長年続いています。ところが安倍政権が組んだ今年の教育予算は、5年前より600億円削っています。
日本は「高齢者への社会保障に偏っている」のではなく、経済の実力に比して、高齢者にも、子育て世代にも、若者にも、そして基礎研究にも冷たい政治が続いてきたうえに、安倍政権がさらにひどくしています。
一方で、安倍政権は、軍事費を5年連続増額し、5兆2千億円にまで膨らましています。「海外で戦争する国」づくりに向けた軍拡や、アメリカの軍需産業から高額な兵器を買わされている問題にメスを入れなければなりません。
また、安倍政権になって、1件当たり10億円以上の大型工事が1.5兆円も増えています。大型開発中心の公共事業を生活密着・安全対策優先に切りかえる必要があります。[/aside]
1-d. 科学技術分野の優先課題について
科学技術関連予算に関して、優先課題を以下から3つを限度に選び、優先順位をお書きください。
- ( ) 基礎科学
- ( ) 医学・生命科学
- ( ) 人工知能(AI)
- ( ) 計算科学
- ( ) 環境科学
- ( ) 材料・マテリアル科学
- ( ) エネルギー科学
- ( ) 原子力
- ( ) 防災
- ( ) その他
[aside]自由民主党
「その他」
どの予算も重要であり、優先度を決めることはできません[/aside]
[aside]公明党
(1)その他 (2)基礎科学 (3)エネルギー科学
その他:人工知能に限らず、IoT、ビッグデータ、ロボットなど新たな産業創出・社会変革をもたらす総合的な科学技術分野[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
予算額、研究内容について総合的に検討し、予算配分を行うべきだと考えます。[/aside]
[aside]幸福実現党
(1)防災 (2)原子力 (3)エネルギー科学[/aside]
[aside]日本維新の会
(1)医学・生命科学 (2)基礎科学 (3)エネルギー科学
国民の生活の質に直結する医学・生命科学は最重要と考えている。
基礎科学は、民間が投資しにくい分野であり重要であると考えている。
自然エネルギーをはじめとしたエネルギー科学も重要視している。[/aside]
[aside]日本共産党
(1)基礎科学
科学・技術関連予算の優先度は、日本学術会議など科学コミュニティの意見を尊重して決めるのがふさわしいと考えます。[/aside]
1-e. 大学等の研究者への国防・軍事研究予算の配分について
大学等の研究者への国防・軍事研究予算の配分について、今後どのようにしていくべきだと思いますか?
[aside]自由民主党
「その他」
わが国の高い技術力は防衛力の基盤であり、安全保障環境が一層厳しさを増す中、安全保障に関わる技術の優位性を維持・向上していくことは、将来にわたって、国民の命と平和な暮らしを守るために不可欠です。防衛省の「安全保障技術研究推進制度」は、防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、先進的な民生技術についての基礎研究を公募するものです。従って、公募制であることから、政府が特定の研究を強制するなどというものではなく、研究自体は研究者の自由に委ねられ、政府の関与は他省庁同様の進捗管理程度となっており、研究成果の公開性や研究の自主性や自律性が明確に担保されていることを確認しています。その一方で、当該制度について、一部の方から懸念が示されています。
自民党としては、これらを踏まえ、同制度の健全な発展と、それを通じた安全保障と科学技術の健全な関係構築のために、より一層の努力を政府に求めていく考えです。[/aside]
[aside]公明党
「現状維持」[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
政府からの研究助成金提供が理由で、大学が実質的に防衛技術の研究を強いられることがあってはならないと考えます。[/aside]
[aside]幸福実現党
「増やす」
日本の防衛産業力の強化の必要性から、防衛技術への投資を積極的に実施すべきと考えるから。[/aside]
[aside]日本維新の会
「増やす」
我が国の国民の生命、財産を守るために、学術界の英知を活用することが非常に有効であるため。[/aside]
[aside]日本共産党
「廃止する」
大学・研究機関の防衛省との軍事協力を強めていることは、「海外で戦争する国づくり」のために科学・技術を軍事利用し、学問研究の自由を脅かすものです。とりわけ防衛省の「安全保障技術研究推進制度」は、大学等を軍事研究の下請け機関へ変質させ、「学問の自由」をじゅうりんする、極めて危険な制度であり、廃止すべきです。[/aside]
2-a. 大学改革、政府主導か大学・研究機関の裁量か?
平成 16 年の大学法人化以来、文科省主導によるいわゆる「大学改革」を目指した各種プロジェクトが膨大な数、行われてきました。一方で、時を同じくして、日本発の論文数の相対的な低下が生じ (参考)、また日本の大学の世界ランキングも軒並み低下しています(参考)。
文科省主導の各種プロジェクトへの申請・報告・評価などの作業が、むしろ研究者の教育・研究時間を圧迫し、日本の科学技術の相対的な地位の低下を招いているという意見があります。競争・改革は各大学・研究機関の自由で自発的な活動にまかせるほうがベターである、という意見も聞かれます。これらについて、貴党のお考えをお聞かせください。
[aside]自由民主党
「その他」
どちらか一方を(原文『(ア)と(イ)のどちらかを』)選ぶことができません。言えることは、それぞれの国立大学が強み・特色を最大限に活かして、自ら改善・発展する仕組みを構築することが必要であり、文部科学省の施策がそれを制度面・予算面において推進していくべきだ、ということです。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
各国立大学が強み・特色を活かし、自ら改善・発展する仕組みを構築することが必要と考えます。文部科学省の施策は、制度や予算面でそうしたことを推進していくためのものであり、今後もそうした環境づくりを進めていくことが重要です。[/aside]
[aside]立憲民主党
「各大学・研究機関の自由な裁量による改革が進むような環境を整備する」[/aside]
[aside]幸福実現党
「各大学・研究機関の自由な裁量による改革が進むような環境を整備する」[/aside]
[aside]日本維新の会
「その他」
研究者が研究に専念できるよう、事務処理の負担を軽減できるための制度が必要不可欠。[/aside]
[aside]日本共産党
「各大学・研究機関の自由な裁量による改革が進むような環境を整備する」[/aside]
2-b. 「競争性を担保した安定した基盤的研究費」導入の是非について
国立大学改革では、独立行政法人化以降進められている運営費交付金の削減と競争的資金への移行による「選択と集中」が進められています。これにより、一般研究者はもちろん、トップレベルの研究者にも申請・報告等の負担がかかり、じっくりと腰を据えた研究やハイリスク・ハイリターンの研究に集中することが困難になったといわれています。そのような問題の解決策の一つとして「競争性を担保した安定した基盤的研究費の導入」が提案されています(参考)。この案は、研究者の過去の実績の評価に基づいて基盤的な研究費を配分するというものです。これにより研究者は、堅実なタイプの研究はもちろん、ハイリスク・ハイリターンの タイプの研究にもじっくりと取り込むことができるようになると期待されます。同案については「このような基盤的研究費を導入すると、国全体として見た時に、研究成果のアウトプットは増えるとおもいますか? 制度全体の研究費の額はかわらないという前提でお答えください」という質問に対し、約8割の研究者が「増えると思う」と回答しています(参考)。同案について、貴党のお考えをお聞かせください。
[aside]自由民主党
「その他」
現段階において、党内で結論を得ていないのでお答えできません。
政府においては、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が「国力の源泉である基礎研究の充実と科学技術イノベーションの創出に向けて」(平成28年12月CSTI有識者声明)で、CSTIが「基盤的経費による研究費と公募型研究費の配分の在り方について、エビデンスに基づき検討を進める」――としています。これを受けて、「科学技術イノベーション総合戦略2017」(平成29年6月2日閣議決定)においても、「総合科学技術・イノベーション会議が制度改革の方向性及び官民合わせた研究費全体の最適なポートフォリオを示す」――とあります。
今後、自民党としては、CSTIにおけるこれらの検討状況等を踏まえながら、研究費の在り方について検討を進めていきます。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
公的研究費は研究の多様性を確保しつつ、より戦略的、効果的に活用されることが必要であり、そのために研究資金制度における使用ルールの統一化による使い勝手の向上、基礎から実用化・社会実装までのシームレスな研究支援の実現、間接経費の適切な措置等による研究設備・機器の共用化促進のインセンティブ付与などの改革を断行すべきです。また、優れた独創的・先駆的な研究を支援する科学研究費助成事業をはじめとする競争的資金の大幅な増額を図るべきです。こうした観点の下、提示された案も含めて検討していきたい。[/aside]
[aside]立憲民主党
「積極的に導入について検討したい」
積極的な導入を基本とし、多数意見、少数意見を含め、十分な検討が必要と考えます。[/aside]
[aside]幸福実現党
「積極的に導入について検討したい」[/aside]
[aside]日本維新の会
「積極的に導入について検討したい」[/aside]
[aside]日本共産党
「その他」
研究分野は、特定の分野に集中投資するよりも、少額でも広く配分するほうが効率的といわれています。提案されている「競争性を担保した安定した基盤的研究費」は、方向性として賛成しうるものですが、具体的な制度設計については不明ですので、評価は差し控えたいと思います。[/aside]
2-c. 国立大学の機能分化、実学・職能教育の重視について
国立大学改革では、実学・職能教育の重視が一貫して志向されてきました (参考)。国立大学の機能別類型化 (参考) では、地域に貢献することなどを優先目標とする類型が設置されており、加えて職能教育に重点をおいた高等教育機関の在り方が模索されています (参考)。こうした動きに対しては、すぐに役立つ知識は陳腐化も早い、あるいは、労働市場の変化に即応して教育体制を変えていくことは不可能であるといった意見が出ています。また、人工知能 (AI) の進出による労働環境の変化も予測される中、これまでの職能教育のイメージに基づいて計画を立てることにはリスクもあると言われています。
[aside]自由民主党
「その他」
党内で結論を得ていないのでお答えできません。しかしながら、今回の選挙後、自民党政務調査会・文部科学部会の下に、高等教育改革プロジェクトチーム(仮称)を設置する予定なので、同PTの検討項目の一つになると思います。同PTとしては、国立大学は自らの強み・特色・社会的役割を整理し、自らの強みや特色を伸ばし、その社会的役割を一層果たしていくための機能強化を図る、という方針です。
[/aside]
[aside]公明党
「その他」
各国立大学においては、それぞれの強みや特色を伸ばし、その社会的役割を一層果たしていくための機能強化を図る必要があると考えます。そうした方向性も重要視しながら、改革を進めるべきです。[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
少子化の下での地域の機能の維持と発展という厳しい課題解決に向けて、継続と見直しを念頭に、検討を進めていくべきです。[/aside]
[aside]幸福実現党
「そのような方針を継続する」[/aside]
[aside]日本維新の会
「その他」
大学が互いに切磋琢磨をおこなって競争を行うことができる環境が重要。[/aside]
[aside]日本共産党
「そのような方向性を見直す」
国立大学の機能分化は、類型ごとに運営費交付金の配分を競わせ、その配分のために基盤的経費となる予算を削減しています。しかも、人文・社会系や教員養成系の廃止・転換・統廃合を押しつけて、学問を衰退させています。「類型化」をすすめる「3つの重点支援」や学長裁量経費枠は廃止し、各大学の標準的な経費をもとに積算し、教育・研究費や人件費などを十分に確保するしくみに変更すべきです。
今年の通常国会で、職業教育に特化した大学として「専門職大学等」を制度化するとして学校教育法が改定されました。わが党は、職業教育の充実強化は必要だが、それは、今ある専門学校が安定的な経営を行うための財政支援や地位向上によって行うべきであって、「専門職大学」の新設では、大学設置基準が緩和され、大学の質の低下を招く危険があるため、法案に反対しました。[/aside]
3. 科学技術分野での「人づくり」政策について
自民党が掲げる政策のひとつに「人づくり革命」があります。これは、「無償化を含む教育機会の確保」、「社会人のリカレント(学び直し)教育」、「人材採用の多元化、高齢者活用」、「人的投資を核とした生産性向上」、「全世代型の社会保障への改革」の 5 つのテーマを中心に検討されるとのことですが、これらの中には科学技術関連のキーワードが入っておらず、科学技術関連の人づくりに力が入っていないように見えます。昨今、過度の競争、安定したポジションの減少を主な原因として、科学技術分野の研究に参入する若手の数は大幅に減少しており、科学技術立国としての「人づくり」は深刻な危機に瀕していると考えられます。科学技術分野の「人づくり」の政策について、貴党のお考えをお聞かせください。
a. ここ15年間の科学技術分野の「人づくり」の政策について
ここ15年間の各政権の「人づくり」政策を評価しますか?
[aside]自由民主党
「その他」
「人づくり」革命に関する党内議論は、今回の選挙後、「人生100年時代の制度設計特命委員会」(委員長・岸田文雄政調会長)で開始します。したがって、現段階では白紙であり、お答えできませんが、同委員会の検討課題のひとつになる可能性があります。「人づくり」に関する自民党の基本的な認識は以下の通りです。科学技術イノベーションの根幹を担う人材、イノベーションの源である多様で卓越した知を生み出す学術研究や基礎研究、科学技術イノベーション活動を支える資金といった基盤的な力を強化していくことが不可欠。これらの取組は、大学や公的研究機関、産業界等の全てのステークホルダーが一体となり、国を挙げて取り組んでいくことが重要――という認識です。
自民党J-ファイル2017該当部分
「卓越研究員制度」や、大学の人事制度の抜本的改革を含む大学改革などを通じた優秀な若手研究者の育成・確保、研究マネジメント人材などの多様な科学技術イノベーション人材の育成・確保、即戦略社会人や企業マインドを持つ人材の育成、女性研究者の活躍促進に向けた支援の充実、さらには次代を担う人材の育成などを進めます。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
科学技術分野の「人づくり」の政策においては、イノベーションの源泉となる学術研究や基礎研究、科学技術イノベーション活動を支える資金の基盤的強化を図ることが重要であり、大学や公的研究機関、産業界等が一体となって、それらに取り組んでいくことが必要と考えます。[/aside]
[aside]立憲民主党
「大きな問題があるので、抜本的な改革を行う」[/aside]
[aside]幸福実現党
「ある程度の問題はあるので、多少の改革を行う」[/aside]
[aside]日本維新の会
「大きな問題があるので、抜本的な改革を行う」[/aside]
[aside]日本共産党
「大きな問題があるので、抜本的な改革を行う」
日本の若手研究者養成は、ご指摘のとおり危機に瀕しています。私たちは、以下の政策を訴えています。
(1)大学・研究機関の人件費支出を増やし、若手研究者の採用をひろげる――大学教員にしめる35歳以下の割合は10.4%に低下し、将来の学術の担い手が不足しています。国立大学法人が「総人件費改革」で5年間に削減した人件費だけで、若手教員1万6千人以上の給与に相当します。国立大学や独法研究機関が削減した人件費分を回復するために、国から国立大学や独法研究機関への運営費交付金を大幅に増額し、若手教員・研究者の採用を大きくひろげます。
(2)博士が能力をいかし活躍できる多様な場を社会にひろげる――公務員の大学院卒採用枠を新設し、学校の教員職や科学に関わる行政職、司書や学芸員などに博士を積極的に採用します。博士を派遣や期間社員で雇用する企業に対して正規職への採用を促すとともに、大企業に対して博士の採用枠の設定を求めるなど、社会的責任をはたさせます。
(3)若手研究者の待遇改善をはかる――ポスドクなどの若手研究者がいだく不安は、雇用の不安定です。大学や独法研究機関が、期限付きで研究者を雇用する場合に、テニュアトラック制(期限終了時の審査をへて正規職に就ける制度)をさらに充実させ、期限終了後の雇用先の確保を予め義務付ける制度を確立します。そのために必要な経費は国が責任をもちます。ポスドクの賃金の引き上げ、社会保険加入の拡大をはかります。
(4)研究費支援では、若手研究者に一定額の研究費を国が支給する特別研究員制度を大幅に拡充します。とくに、博士課程院生には6.3%しか適用されていない現状を改善し、20%まで採用を増やします。大学院生に対する給付制奨学金を創設します。
(5)専業非常勤講師の処遇を抜本的に改善する――大学非常勤講師で主な生計を立てている「専業非常勤講師」の処遇を抜本的に改善するため、専任教員との「同一労働同一賃金」の原則にもとづく賃金の引き上げ、社会保険への加入の拡大など、均等待遇の実現をはかります。また、一方的な雇い止めを禁止するなど安定した雇用を保障させます。[/aside]
b. 科学技術関連の人づくりについて
自民党が掲げる「人づくり革命」、あるいは貴党の人材育成政策について、科学技術関連の人づくりを中心的な柱の一つとして追加するべきという考え方について、どうお考えになりますか?
[aside]自由民主党
「その他」
3-a と同じく、まだ、白紙の状態ですが、「人生100年時代の制度設計特命委員会」での検討課題のひとつになる可能性があります。自民党の方針としては、科学技術イノベーションを支える人材力を徹底的に強化します。また、新たな知識や価値を生み出す高度人材やイノベーション創出を加速する多様な人材を育成・確保するとともに、一人ひとりが能力と意欲に応じて適材適所で最大限活躍できる環境を整備していきます。[/aside]
[aside]公明党
「賛成である」
科学技術イノベーションを支えるため、新しい知識や価値を生み出す人材やイノベーション創出を加速する多様な人材を育成確保するとともに、一人ひとりが能力と意欲に応じて活躍できる環境を整備していくことが重要と考えます。[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」[/aside]
[aside]幸福実現党
「その他」
科学技術関連の人材育成の重要性を認識している。今後、検討を深めていきたい。[/aside]
[aside]日本維新の会
「賛成である」[/aside]
[aside]日本共産党
「その他」
わが党の若手研究者育成のための政策は、わが党の政策の中で適切に位置づいています。[/aside]
4. 大学院の無償化について
教育の無償化について、幼稚園から大学までの教育についての議論がしばしば報道されています。しかし、高度な訓練を受けた科学技術関連の人材を育成するための「大学院」の無償化については、ほとんど議論されていないようです。先進諸国では、大学院生の授業料の無償化、さらに金銭上の支援をしている場合も多数あります(参考)。大学院生の授業料の無償化について、貴党のお考えをお聞かせください。
[aside]自由民主党
「その他」
党内で結論を得ていないのでお答えできません。しかしながら、今回の選挙後に設置予定の「高等教育改革プロジェクトチーム(仮称)」の検討項目の一つになる可能性があります。
また、政府は第3期科学技術基本計画(平成18年3月閣議決定)、第4期科学技術基本計画(平成23年8月閣議決定)及び第5期科学技術基本計画(平成28年1月閣議決定)において、「博士課程(後期)在籍者の2割程度が生活費相当額程度を受給できることを目指す」との目標が掲げられています。そして現在、大学院生に対する経済的支援として、博士課程教育リーディングプログラムや特別研究員制度等の多様な財源による総合的な支援を実施し、目標の達成を目指しています。
自民党としては、この目標達成に向けて最善を尽くしていきます。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
第5期科学技術基本計画において「博士課程(後期)在籍者の2割程度が生活費相当額程度を受給できることを目指す」との目標が掲げられております。現在、大学院生に対する経済的支援として、博士課程教育リーディングプログラムや特別研究員制度等の多様な財源による総合的な支援を実施しており、目標の達成に向けた取り組みをさらに加速させていきたいと考えております。[/aside]
[aside]立憲民主党
「積極的に検討したい」
予算の振り替えの検討の中で、積極的に検討したい。[/aside]
[aside]幸福実現党
「検討はしない」[/aside]
[aside]日本維新の会
「積極的に検討したい」[/aside]
[aside]日本共産党
「積極的に検討したい」
教育の無償化の中に、大学院は当然入れるべきだと考えます。わが党が、高等教育の無償化の第一歩として提案している10年間で大学の授業料を半額化する政策には、大学院生も含んでいます。[/aside]
5. 「安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度」について
今日、我が国では、研究者の安定なポストの数が不足しており、多くの若手研究者が任期付きの不安定なポストに就かざるを得ないという状況があります。そのような状況のもと、昨年度から若手研究者の安定かつ自立した研究環境を実現することを目的に「卓越研究員制度」が開始されました(参考)。同制度は、文部科学省が優秀な研究者を「卓越研究員」と認定し、受け入れ先の研究機関に国が一定期間研究費等を支援するというものです。この制度の大きな問題の一つは、人件費を受入機関が支払うため、卓越研究員側の自由度が制限されることになり、機関と研究員のマッチングが成立しにくいことです。実際、卓越研究員に選抜された人のうち半数程度(2016 年 11 月時点)で、制度の見直しの望む意見も出ています(参考)。
これに対して、「安定性と競争性を担保する 日本版テニュアトラック制度」の提案がなされています(参考)。この提案は、卓越研究員制度と同様に研究者の安定ポジションを実現する目的としていますが、最低限の人件費を国が保障すること、卓越した研究者のみならず多様なキャリアパスもスコープに含めることの 2 点において異なります。これらにより、多くの研究者が安定かつ自立したポストを得ることができるようになり、ハイリスク・ハイリターンの研究も含め、じっくりと腰を据えた研究に取り組むことができるようになることが期待されます。「このようなテニュアトラック制度を導入すると、国全体として見た時に、研究成果のアウトプットは増えるとおもいますか?」というアンケートには、回答者の70%が「増えると思う」と回答しています。研究者のポスト問題の解決策について、貴党の政策にもっとも近いものを一つお選びください。
a. 卓越研究員制度の制度設計について
卓越研究員制度の制度設計について、どうお考えになりますか?
[aside]自由民主党
「多少の見直しや改善が必要である」
毎年、卓越研究員制度の改善を進めており、今後も必要な改善を図っていきます。
[/aside]
[aside]公明党
「多少の見直しや改善が必要である」[/aside]
[aside]立憲民主党
「大幅な見直し、改善が必要である」
見直し、改善が必要であることを基本として検討したい。[/aside]
[aside]幸福実現党
「多少の見直しや改善が必要である」[/aside]
[aside]日本維新の会
「多少の見直しや改善が必要である」[/aside]
[aside]日本共産党
「大幅な見直しや改善が必要である」[/aside]
b. 「安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラック制度」について
「安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラック制度」の導入について、どうお考えになりますか?
[aside]自由民主党
「その他」
自民党としては、大学の教員・研究者人事における公正で透明性が高い評価・育成システムを構築していきますが、そのための検討課題の一つがテニュアトラック制の導入だと思います。また、卓越研究員事業を推進し、優秀な若手研究者が自立した環境で挑戦できる機会を拡充していきます。これらにより、流動性と安定性に配慮したキャリアシステムの構築を継続的に取り組んでいきます。
自民党J-ファイル2017該当箇所
若手研究者の安定的なポストを大幅に増やすとともに、優秀な大学院生への経済的支援を行います。また、優秀な研究者が大学や公的研究機関、産業界の枠を超えて活躍できる環境を整備します。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
テニュアトラック制の導入拡大や卓越研究員事業の推進などにより、若手研究者のキャリアパスを明確にしていくことが必要と考えます。さらに、若手研究者が能力と意欲を最大限に発揮できる環境を整備し、将来への不安を軽減させるため、シニア研究者等への年俸制の導入などにより、若手研究者を任期のない研究者ポスト(テニュアポスト)への転換を図ることが重要と考えます。[/aside]
[aside]立憲民主党
「積極的に導入について検討したい」
積極的な導入を基本として検討したい。[/aside]
[aside]幸福実現党
「積極的に導入について検討したい」[/aside]
[aside]日本維新の会
「積極的に導入について検討したい」[/aside]
[aside]日本共産党
「その他」
ポストをめぐる過度の競争を緩和するための提案としては、積極的に検討するべきだと考えますが、「安定性と競争性を担保する日本版テニュアトラック制度」の具体的な制度設計については不明ですので、評価は差し控えたいと思います。[/aside]
6. 研究者との直接対話について
科学技術における日本の国際的な地位低下の一つの原因として、研究者にムダな雑用や事務作業が多いことが指摘されています(参考)。このような状況の中、自民党の河野太郎前行政改革推進本部長は、ブログやツイッターなどのソーシャルメディアを活用し、現場の研究者との双方向コミュニケーションを行うことによって、大学の奇妙なローカルルールの削減や、研究費の申請フォーマットの改善など、ムダを削減するための各種の改革を行いました。これらは、研究の効率を上げ、貴重な研究費を有効に活用できる改革として、多くの研究者から高い評価を受けました。また、日本学術会議が代表することが十分にできていない、現場の研究者層の生の声を政策に活かす方法として注目されています。ソーシャルメディアを介した研究者との双方向コミュニケーションについて貴党のお考えをお聞かせください。
科学技術政策に関連して、ツイッターなどのソーシャルメディアを活用すべきだと思いますか?
[aside]自由民主党
「その他」
現段階では党内で議論したことがなくお答えできません。一般論としてソーシャルメディアの活用は重要だと考えています。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
SNSによる現場の研究者との双方向コミュニケーションは、現場が抱えている課題を解決していける手段として、貴重であると考えます。[/aside]
[aside]立憲民主党
「積極的に活用し、政策に反映していく」[/aside]
[aside]幸福実現党
「活用する予定はない」[/aside]
[aside]日本維新の会
「積極的に活用し、政策に反映していく」[/aside]
[aside]日本共産党
「積極的に活用し、政策に反映していく」[/aside]
7. 研究費の基金化について
貴重な研究費を有効に活用することを妨げる要因の一つとして、単年度予算制度に伴う予算の使い切りの問題があります。この問題の解消策として、科学研究費補助金の一部種目の基金化が平成 23
年に実現しましたが、研究者の 9 割近くは全ての公的研究費の基金化を希望しています(参考)。一方で、基金化は単年度予算の原則から外れており「財政規律」の観点で問題があるとの理由で好ましくないという意見もあります。公的研究費の基金化について、貴党のお考えをおきかせください。
[aside]自由民主党
「その他」
研究活動は当初予定した年度ごとの研究計画が変更を迫られることが多く、研究の進展に合わせて柔軟に研究費を使用できるようにすることが重要だと認識しています。
研究費の基金化については、特に研究現場から強い要望のあった科研費について、平成23年度以降、複数年度にわたる研究費使用の効果が高いと見込まれる研究種目の基金化を進めてきました。その一方で、初年度に後年度分の研究費も含めて予算措置する必要があるため、単年度の研究費よりも大きな財政措置を伴うなどの課題が指摘されています。
現在、自民党科学技術・イノベーション戦略調査会の下に設置されている、科学技術イノベーション活性化小委員会(委員長:後藤茂之前衆議院議員※)は、「研究開発力強化法」の改正に向け、国の資金配分機関が行う公募型研究開発の基金化について検討する見通です。この中で、基金対象の拡大を含めた研究費の制度改革について検討していきたいと考えています。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
研究費は、研究の進展に合わせて柔軟に使用できることが望ましいと考えます。研究費の基金化について、特に研究現場から要望のあった科研費については、平成23年度以降、複数年度にわたる研究費使用の効果が高いと見込まれる研究種目の基金化を進めてきました。一方で、基金化は、初年度に後年度分の研究も含めて予算措置する必要があるため、単年度の研究費よりも大きな財政措置を伴うなどの課題が指摘されております。今後は、基金対象の拡大を含めた研究費の更なる制度改善の在り方について検討していきます。[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
予算制度全体の見直しの中で現行制度の見直しを検討したい。[/aside]
[aside]幸福実現党
「その他」
予算の単年度制そのものを改める必要性があると考えている。[/aside]
[aside]日本維新の会
「積極的に拡充を検討したい」[/aside]
[aside]日本共産党
「積極的に拡充を検討したい」[/aside]
8. 研究不正への対応について
科学技術研究における不正は深刻な問題ですが、研究に疑義が生じた際に調査を行うのは、当該の研究者が所属する研究機関とされています。しかしながら、当該機関が不正を認定すると、その機関もペナルティを受けるという利益相反の関係にあります。このような状況の下、関連分野の多くの研究者が不正と考えるような場合でも、不正と認定されない案件が続出しています。2005 年に日本学術会議は不正が起こった際の手続きの整備、第三者的な裁定機関の設置を提言していますが (参考)、これらは実現していません。私どもが行ったアンケートでは、「研究機関は、研究公正を推進しようとしても不正を認定すれば不利益を被るという、利益相反の状況に置かれています。この状態で研究不正が適切に調査・評価できるとおもいますか?」という質問に対して、「いいえ」が 80% 以上、「日本でもアカデミックコートや研究公正局を整備する必要があるとおもいますか?」という質問に対しては、70% 以上が、「はい」と回答しています (参考)。
不正に関する調査を行う第三者組織・機関を立ち上げることについての貴党のお考えをおきかせください。
[aside]自由民主党
「その他」
党内で議論を得ていないのでお答えできません。自民党としては、研究不正行為に対し、当然のことですが、客観的な根拠に基づいて厳正に対処していくことが重要だと認識しており、研究倫理の教育などを通じてその発生の防止に努めていきます。なお、総合科学技術・イノベーション会議の方針を踏まえ、関係府省でガイドラインを整備するなど、研究不正行為への対応を強化しています。[/aside]
[aside]公明党
「その他」
科学技術における研究不正行為については、発生の防止を努めるのはもちろん、厳正に対処していくことが必要と考えます。政府においては、ガイドラインを整備するなど研究不正行為への対応を強化しています。[/aside]
[aside]立憲民主党
「その他」
自律性、倫理性の確保を前提として、積極的な導入について検討したい。[/aside]
[aside]幸福実現党
「その他」
現状把握をすすめ、今後、導入の是非について検討したい。[/aside]
[aside]日本維新の会
「積極的に導入について検討したい」[/aside]
[aside]日本共産党
「積極的に導入について検討したい」
不正に関する調査を行う第三者組織・機関を立ち上げることは、検討すべきだと考えますが、それだけでは不十分だと考えます。
研究における不正行為は、科学への社会の信頼を裏切る行為です。不正事例は、競争的資金の重点配分や任期制など競争的環境が強まった2000年前後から急増しています。不正の根絶をはかるために、科学者としての倫理規範の確立を促すとともに、不正の温床となっている業績至上主義とそれを助長する過度に競争的な政策をあらため、大学・研究機関における外部資金の管理を厳格におこなう必要があると考えます。[/aside]