教育において遺伝を避けるのは、知的に不誠実だ!
慶應義塾大学安藤寿康教授 インタビュー 前編
- くもM LABインタビュー動画
- November 26, 2021
前編の内容とみどころ
先生は遺伝の研究を進めるために多くの双子に協力してもらうことで、環境的な要因が大きいのか、それとも遺伝的な要因が大きいのかを調べてきました。
双子には遺伝的に全く同じ一卵性双生児と、そうではない二卵性双生児がいます。もし、能力などに環境的な要因が大きいとするならば、一卵性双生児も二卵性双生児も同じくらい能力に差が生まれるはずです。
しかし、一卵性双生児では、大きな能力の差はみられず、二卵性双生児にのみ大きな差があるとするならば、環境的な要因よりも遺伝的な要因が大きいと考えられるのです。はたして人間の能力に遺伝はどれほど影響しているのか。研究から見えてきたことを踏まえた先生の熱いメッセージは必見です。
また、どうしても教育では「遺伝」を言ってはいけない雰囲気があります。誰でも適切な訓練を受け、努力すれば、どんなことでもできるようになると考えられがちです。しかし、人間は遺伝子の産物であり、決してその影響を無視することはできません。
先生はこれまで自分の研究が相手にされないこともありましたが、それでも自分を信じ、長年研究を続けられてきました。その研究から見えてきたものとは。先生の思いが込められたインタビュー前編となっております。とくに教育者の方々、お子様をお持ちのかたに見ていただきたい内容です。
番組内容
第7回のくもM LABは慶應義塾大学文学部人文社会学科 安藤寿康教授です。安藤先生は大学院で教育心理学に出会い、そこからずっと慶応義塾大学で研究を続けておられます。先生の研究は、双子を参考にし、記憶や知能、運動などの能力だけではなく、性格や収入などにもどれほど遺伝的な影響があるか?を統計学的に調べるというものです。今回は長年研究をされてきて見えてきたもの、先生の思い、そして研究への愛を語っていただきました。
安藤 寿康(あんどう じゅこう)
慶応義塾大学 文学部 人文社会学科 教授
1958年東京で生まれ、3歳からは神奈川県へ。大学は慶應義塾大学文学部に入学し、教育心理学に出会う。そこから現在まで慶應義塾大学文学部で研究を続けている
くもM LABとは?
くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。
くもMプロフィール
大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。
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