証明されればノーベル賞級 未解明な光の謎「超放射相転移」
京都大学白眉センター特定准教授 馬場基彰先生インタビュー後編
- くもM LABインタビュー動画
- October 20, 2021
後編の内容とみどころ
相転移とは温度に応じて物質の相(状態)が劇的に変化する現象であり、例えば、水が冷えて氷になったり、温められて水蒸気になったりすることです。その相転移に超放射がついた「超放射相転移」。
あたかも何かがものすごく放射しているような名前ですが、何か放射しているわけではありません。超放射という光の現象の中で見つかった相転移であるため、「超放射相転移」と呼ばれています。
では、一体「超放射相転移」とはどのような現象なのか?また、どうやってそれを証明していくのか?研究はどの段階まで進んでいるのか?後編では方位磁針などを使い視覚的にも馬場基彰先生がわかりやすく解説して下さっています。
また、「超放射相転移」をきちんと証明することができれば、量子コンピューターや暗号通信、センサーへの応用が期待される他、エネルギーに革命が起こるかもしれません。皆様も新たな可能性を追求する理論物理の世界へと足を踏み入れてはいかがでしょうか。
番組内容
今から約50年前の1973年「超放射相転移」の存在が理論的に予言されました。この「超放射相転移」とは、光のまだ明らかとなっていない物理現象のひとつです。そして、そこから現在に至るまで、様々な議論が繰り広げられましたが、いまだ本当に起こるかどうかはわかっていません。
もし、「超放射相転移」が証明されれば、エネルギー革命が起こり、世界に衝撃がはしるでしょう。番組後編では光の謎のひとつ「超放射相転移」について、日々研究されている馬場基彰先生にどのような現象なのか、また、どういったところに応用される可能性があるのかをわかりやすく解説いただきました。
京都大学白眉センター特定准教授 馬場基彰先生インタビュー前編はこちら
馬場 基彰(ばんば もとあき)
滋賀県出身で大学は大阪大学へと進学。その後、指導教員の移動をきっかけに大阪府立大学へと進学し、博士号を取得する。博士号を取得してからはフランスのパリ第七大学で博士研究員を3年間勤めた後、2012年には日本へ帰国、大阪大学理学研究科で博士研究員を務める。2015年からは博士課程教育リーディングプログラム特任講師として活躍し、2019年からは現在所属している京都大学へ。2021年1月からは白眉センター特定准教授として研究を進めている。
くもM LABとは?
くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。
くもMプロフィール
大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。
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