お知らせ

[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](8)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](7)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。 
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](6)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](5)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](4)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](3)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](2)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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[研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ](1)

Science Talks LIVE、第3回のトークゲストは京都大学・高等教育研究開発推進センター長の飯吉透氏。研究者にとって教育とは、研究時間を奪う厄介者――とは限りません。最先端の研究者こそ、 最新のプラットフォームを使って教育に貢献し、そこで得た知見を研究や人脈作りの訳に立てています。アメリカを含む複数の事例を交えながら、研究者と教育の上手な付き合い方について、また、日本の教育を取り巻く問題についてもお話をいただきました。
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開催報告:第3回 Science Talks LIVE [研究+教育] × [情熱+狂気]=∞ [ムゲンダイ]

「日本のサイエンスをもっと元気に、面白く」するための先駆的な活動をされている研究者の方をゲストにお招きしてお送りする「Science Talks LIVE」。 第3回のゲストは、京都大学高等教育研究開発推進センター長、飯吉透(いいよし・とおる)教授。オープンエデュケーションや教育イノベーションをご専門とされる飯吉氏は、カーネギー財団やMITをはじめとするアメリカの大学での研究・教育のご経験も豊富で、インターネットやAI技術を駆使したオープンエデュエーションと高等教育革命について、様々な機会や媒体でグローバルに語られています。 「研究者は研究だけをする人」という凝り固まった職業観には、現代の社会において、色々な弊害があります。講座制の中で研究だけやってきた若手研究者が、いざ就職という場面で大学または企業の研究職以外の選択肢を見出せなかったり、大学発ベンチャーの不発が多かったり、産学連携や異分野交流から生まれるイノベーションが少なかったり。研究者だって色々な世界やトピックにアンテナを張って、いろんな分野の仲間やネットワークを作って横につながっていかなければ、アイディアや生き方が限定されたものになってしまうのでは? 現在進行中である21世紀の高等教育革命は、教育者としての研究者のありかたを大きく変えていく可能性を孕んでいます。飯吉氏には「教育とは研究に役立ちつ活動、貢献する活動であり、研究の傍らにやる活動でもなければ、研究時間を奪う活動でもない」という観点から、新しいオープンエデュケーションの可能性とそれが研究活動に与えるプラスの役割や効果について語っていただきます。 トークセッションMCは奈良先端科学技術大学院大学の駒井章治(こまい・しょうじ)氏。「教員から学生にただ教え込むだけではなく、教員自身も共に考え、生涯に渡って学ぶ場を作るべき!」という観点から、ディスカッションを広げます。
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これからの大学×学問を考える「ACADEMIC PARTY!」を開催します!

「これからの大学を考える」ことを目的に、茨城県常陸太田市で2018年3月29、30日に開催される『ACADEMIC CAMP!』。そのプレイベントとして、3月9日(金)、東京都千代田区のカクタス・コミュニケーションズ(株)にて『これからの大学×学問を考えるACADEMIC PARTY!』を開催します。 テーマは「大学×学問」。大学改革が進む今だからこそ改めて考えたい、「いったい大学は誰のものなのか」という問いに迫ります。東京の大学生や大学院生のみなさん、もちろんポスドクのみなさんもポスト付きの研究者のみなさんもぜひ一緒に語り合いましょう。 レッツ・シェアスタッ! – – – – – – – – – –
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【衆院選2017】科学技術政策アンケート 各政党の回答を公開

衆議院選挙の投票日、10月22日(日)が近づいてきました。投票予定の政党はもうお決まりですか? サイエンス・サポート・アソシエーション(SSA)、日本の科学を考えるガチ議論、ならびにScience Talksでは、今回の選挙でも各政党宛てに科学技術政策に関する公開アンケートを実施し、10月17日現在、6党からご回答をいただきました。設問ごとに各党の政策の違いをまとめましたので、投票の参考としてご利用ください。 回答いただいた政党は自由民主党・公明党・立憲民主党・幸福実現党・日本維新の会・日本共産党(順不同)です。各党のご担当の皆様、ご協力誠にありがとうございました。 SSAの榎木英介さんによるアンケート結果まとめ記事 設問制作者によるコメント   [kanren postid=”7042″] 1-a. 日本の科学技術予算を今後どうするべきか? 現在日本の科学技術関連予算(政府負担研究費)は約3.5兆円です。研究費総額に占める政府負担の割合は、欧米諸国が30%前後であるのに対し、日本は18.4%(2014年)です(参考)。科学技術関連予算の総額について、今後どのようにしていくべきだと思いますか? [aside]自由民主党 「増やす」 科学技術イノベーションはわが国の持続的な成長・発展や地球規模の課題対応に向けて重要な役割を担う鍵となるものであり、国をあげて科学技術イノベーション政策を強力に推進していく必要があります。
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【衆院選2017】どうする、どうなる? 日本の科学技術政策―今年もやります! 科学技術政策・公開政党アンケート

【参院選2016】科学技術政策についての政党アンケートから1年3か月。 日本の科学技術政策をどの政党に委ねたいのか、選択の季節が再びやってきました。今回の衆議院選挙は10月10日(火)に公示され、10月22日(日)に投開票される予定です。 Science Talksでは今回の衆議院選挙でも、科学技術と社会のあり方を考えるグループ「サイエンス・サポート・アソシエーション(SSA)」及び「日本の科学を考えるガチ議論」との共催で各政党への科学技術政策公開アンケートを実施いたします。 各政党からのアンケートの回答締切は10月16日(月)いっぱい。回答をいただけ次第、こちらのページで順次公開していきます。 日本の研究力の退潮が懸念される今、科学技術の今後を憂う皆様の投票の参考になれば幸いです。 公開アンケートの中身はこちら 政党別 公開アンケート回答 今回公開アンケートを配布した政党は以下の13政党です(順不同)。各政党の回答は、届き次第順次公開します。※回答がない場合は「なし」として公開予定です。 「幸福実現党」のアンケート回答(10/14着) 「日本維新の会」のアンケート回答(10/16着) 「日本共産党」のアンケート回答(10/16着) 「自由民主党」のアンケート回答(10/16着) 「公明党」のアンケート回答(10/16着)
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ポスト真実がやってきた! トランプ時代にどう変わる? アメリカの科学と政治(7)

Science Talks LIVE、2016年度最終回となる今回のテーマは、今年1月の誕生以来極度の保守主義やアンチサイエンスで何かと話題に上るアメリカ・トランプ政権。戦後初めて誕生した『科学に興味がない大統領』とも言われるトランプ氏の下でアメリカの科学政策はどう変わるのか。日本や世界の科学の動向に、どんな影響が出てくる可能性があるのか。文化人類学者、科学社会学・科学技術史学者の春日匠(かすが・しょう)氏をゲストに、トランプ政権への懸念と対処についてAAAS(アメリカ科学振興協会)の年次大会で交わされた議論について詳しくご報告いただきました。 フロアディスカッション その3:AAASポリシーフォーラム参加報告 質問者E AAASの開場に社会学・社会人文学の研究者はどれくらいいましたか? そこの人達が入ってくればもう少し議論が、いわゆる科学絶対主義とは違うようなところに収れんするはずなんですが。 春日 今回参加してきた分科会は政策や倫理に関するものが多かったんですが、割と学部長レベルとかそれ以上の人が多くて、大会全体の人口比を代表はしていないだろうという気がします。ただそれを除いても、とにかくバイオ系の研究者が圧倒的に多かったです。 小山田 AAASの年次大会のセッションテーマは、政策系のところが幾つかの枠を固定で持っているほかは、後はテーマを事前に募って、その中から審査・選考しています。内容はかなり多様で、インフラの話があったり、格差の話があったり、そういうところには社会科学者も入っていたと思いますが今はあまり確定的なことは言えません。詳細はネットに公開されているので、そちらを見ていただければ。 春日 遺伝子組み換え作物に関する社会とのコミュニケーションというセッションに1つだけ参加しましたが、そこはバイオの研究者3人くらいに、社会学者が1人という感じでやっていました。シニアの研究者、ディレクターみたいな人だと政策研究をしている人は多いので会場にもいたにはいたんですが、どちらかと言うと批判的な方ではなくて、政府に比較的近いタイプの社会学者、政治学者が多いところのようでした。他のところに行けばまたちょっと様子が変わるかもしれないですが、今回は科学批判はそんなに聞かなかったですね。 小山田 科学批判が起きやすい場所ではないことは間違いないですね。それではここで、ポリシーフォーラムに出席された白川さん、最新の情報があれば。 白川 皆さんの質問の中身を踏まえてお話しすると、まず予算ですが、NIHの予算が何に基づいて決まっているかというと、歳出上限法という法律が2011年にできました。さっき小山田さんが示されていた研究開発予算の推移も2011年にがくんと下がっていたと思うんですが、法律で上限が決まっているのでどうしても下げざるを得ないという技術的な面がございます。NIHの国際(ファガティ)センターの廃止は小山田さんも言われたように公約を確実に推進しているように見せる査定案が必要なので、そういう案を書いたのだろうという解釈です。ポリシーフォーラムにNIHのディレクターが来ていて、『私、辞表を出したんですけど、受理されなくてまだ首繋がってますよ、ははは』とか言いながら事業紹介をしていました。ライフサイエンスの削減はどうなっているのか、脳研究はどうなのかという話については、『Brain Initiative(2013年にオバマ政権が発表した、国家を上げて脳神経科学に取り組むプロジェクト)は超党派の議員の皆さんに賛成いただいたものですので、当然次の政権でも強く支持されるものだと考えております』という風に仰っていました。モデレーターの説明によればアメリカの予算は、大統領の予算案がそのまま追認されるということではなくて、あくまで議会が作るんです、と。トランプはビジネスマンなので高めのところに球を投げてきて、落としどころは別なんだろうなと皆結構思っているようです。 ただ、着目しておかなければならないところもありました。エネルギー省あたりの査定の仕方を見ると、ARPA-Eのように商業化を目指しますというような格好良いことを言っているところは軒並み削られたんですが、基礎物理や原子力のような基礎研究はそこまで削られていないんです。エネルギー省で物理をやっているような人は意外と冷静です。 これは私の感想ですが、日本で民主党政権ができた時と同じような騒ぎが起きているような気がします。ただ、それに対する科学者・技術者の反応はアメリカの方がずっと実際的・実践的に思えます。私自身はAAASの大会とこのフォーラムの両方参加させていただいたんですが、その中にEngaging Scientists and
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ポスト真実がやってきた! トランプ時代にどう変わる? アメリカの科学と政治(6)3

Science Talks LIVE、2016年度最終回となる今回のテーマは、今年1月の誕生以来極度の保守主義やアンチサイエンスで何かと話題に上るアメリカ・トランプ政権。戦後初めて誕生した『科学に興味がない大統領』とも言われるトランプ氏の下でアメリカの科学政策はどう変わるのか。日本や世界の科学の動向に、どんな影響が出てくる可能性があるのか。文化人類学者、科学社会学・科学技術史学者の春日匠(かすが・しょう)氏をゲストに、トランプ政権への懸念と対処についてAAAS(アメリカ科学振興協会)の年次大会で交わされた議論について詳しくご報告いただきました。 フロアディスカッション その2 質問者C トランプがアンチサイエンスである理由が良くわからないんですが、彼の支持基盤が重厚長大産業だから、気候変動についてあまり言われると不都合だから、政治的判断としてそこの研究を潰しにかかっているというだけの話なのか、それとももう少し根深い、いわゆるポスト・トゥルース(Post-Truth)と言われるように、科学的な世界観や態度が社会心理的な意味で崩れてきている、そういう現象がアメリカで起きているのか、どちらでしょうか。 春日 トランプ氏個人について言うと、多分、アンチというより無関心ですね。彼を選んだ有権者がどう思っているかというと、1つにはおっしゃるとおり、重厚長大産業が背景にいます。彼らにとって温暖化、気候変動の話は都合が悪いので、そこに手を出さない大統領を支援している。もう1つの支持基盤、キリスト教福音派の人達は、ある種の科学知識というものにお根本的な懐疑を持っている。聖書と科学の教科書の記述が矛盾していたら、聖書の方を信じるべきだと考えています。本当のところどの程度それを実践しているかはわからないですが、そういう考え方は持っていて、その人たちと石油産業の人達の利害がたまたま一致して、細かいところを見れば本当は矛盾だらけだと思うんですが、何となくそこで共和党支持という連合が成立してしまっている。こういう複数の事情が重層的に重なった結果たまたま起きている現象が今見えていて、たまたまではあるけれど、多分この先暫くは続くだろうと思います。 小山田 AAASでは大統領選挙の時に、選挙戦の途中で民主と共和両党のそれぞれの候補に科学関係で助言している人を連れてきてそれぞれの意見を聴く場を設けています。今回の選挙でもやるとは言っていたんですが、いざ会場に行ったらキャンセルされていた。そもそもそういう次元で議論していないんです。温暖化問題をどうするかというくらいなら議論があるかもしれないけど、もっと踏み込んで科学技術をどういう風に競争力に役立てるかみたいな話になると、議論にならない、争点にもならないです。アメリカの場合再生医療が議論になることはありますが、他の科学技術はあまり争点になっていません。 春日 前回私が行ったのは2007年の2月だったんですが、共和党の候補はもうマケイン氏に決まっていて、民主党側はクリントンかオバマかという2人の対決にほぼ絞られている時期でした。その時は共和党は呼ばれず、クリントン側は夫、ビル・クリントンの時の科学技術担当の政策アドバイザーだった人、オバマの方はシカゴでずっとマイノリティ向けの科学教育をやっているNGOの若い活動家でドクター・モンベルという人が対談をしていたんですが、暫く議論が続いたところで司会役の女性ジャーナリストから、『あなた方は多分、ブッシュ政権の科学政策を念頭に幹細胞や気候変動の話をされていると思いますが、マケインの政策は読まれましたか? マケインは幹細胞研究賛成、気候変動対策も推進すると言ってますよ』と突っ込みが入ったんです。共和党でも割とメインストリームにいる人は本当は幹細胞研究も、気候変動研究も熱心なんですが、それを言ってしまうと選挙に勝てない。マケインはもう落ちることはないでしょうが、こういう良識ある人がどんどん減って、若い人では全部ティーパーティや福音派の支持を受けて気候変動なんて嘘だと言う人達しか通って来ない、そういう状況はありますね。 質問者D 2点お願いします。1つは、再生エネルギーや気候変動に関する予算が減るということで、科学者もそこと他の分野の温度差のようなものはありますか? もう1つは軍事予算が上がるということで国防省の予算も当然に増えているんでしょうか? 春日 少なくとも会場にいた時の雰囲気としては、軍事を含めて産業応用に直結するような予算はもしかしたらトランプ政権で増えるかもしれないという話はありました。AAASの大会は2月で、まだ予算案は出ていないときだったので皆憶測で話をしていたんですが、減るところも増えるところもあるだろうねという感じで。ブッシュ政権の時も実際、軍事予算と産業応用性の高い予算が少し増えていて、気候変動や基礎研究の部分の予算は減ったので、今回もそういう感じになるかもしれないという話は出ていました。ただそれで分断されては困るので、AAASとしては一致して基礎研究や環境問題、地球全体の貧困、感染症、そういう問題が重要だということを言い続けましょうという話も皆さん割と仰っていました。 実は統計的に見ると、オバマ政権でも研究費が大きく増えたわけではなくて、寧ろ減った分野もあるんですが、それでもオバマが人気があるのは科学に対して理解があって、こういうところが重要だよねというコミュニケーションをきちんと科学者としてくれたという感覚を皆が持っていて、そういうところも全部含めた評価なので、全く関心のなさそうなトランプにお前にだけは金をつけてやると言われてもあまり喜べないんじゃないかなと、会場の雰囲気としてはそういう感じでした。 小山田 1975年以降の連邦政府の研究開発費のデータを見ると、各年のおよそ半分から60%がDoD(Department of Defense、国防総省)の予算になっています。半分以上もあるのかと思われるかもしれないですが、そのうちの大部分は兵器システムのプロトタイプを作ったり実装したりというような兵器開発費で、研究費として大学等に回るのはほんの僅かです。大学の方から見ると連邦政府からのお金がかなり大きくて、特にその内訳を見るとHealth
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ポスト真実がやってきた! トランプ時代にどう変わる? アメリカの政治と科学(5)

Science Talks LIVE、2016年度最終回となる今回のテーマは、今年1月の誕生以来極度の保守主義やアンチサイエンスで何かと話題に上るアメリカ・トランプ政権。戦後初めて誕生した『科学に興味がない大統領』とも言われるトランプ氏の下でアメリカの科学政策はどう変わるのか。日本や世界の科学の動向に、どんな影響が出てくる可能性があるのか。文化人類学者、科学社会学・科学技術史学者の春日匠(かすが・しょう)氏をゲストに、トランプ政権への懸念と対処についてAAAS(アメリカ科学振興協会)の年次大会で交わされた議論について詳しくご報告いただきました。 フロアディスカッション その1 小山田 時間も押してきましたので、フロアを交えたディスカッションに移らせていただきたいと思います。AAASの年次大会自体は政策だけ議論しているわけではなくて、例えばゲノム編集技術やAIのような新しい技術も色々議論しようみたいなセッションもあったりする幅広いものなのですが、それとは別に、こういう予算案が出された後を受けて、アメリカの科学技術政策の議論をする『ポリシーフォーラム』という会合が毎年春に持たれています。そちらに参加された方もいらっしゃるので、後で少し話題提起を頂きたいと思いますが、まずは春日さんへのご質問を伺います。 質問者A 2つあるのですが、1つは聞き逃したことで、サンダースと話したら論点がシフトしたっていうお話のところがよく分かりませんでした。経済的自由とか効率重視と、財政支出ですか、要するに格差の問題はサンダースとトランプで貧困層へのアピールは共通していると理解しているんですが。シフトしたというのはどういうことなんでしょうか。 春日 トランプとサンダースの言っていることは基本的には、格差を解消しようということで一致はしていました。ただ、サンダースは元々環境問題の運動家と近い人なので、再生エネルギーにもっと投資をしようとか、分散型でやりましょうという側面が強いです。それに対してトランプは石油パイプラインを造るとか、巨大工業団地を造る、外国から自動車工場を誘致する、新幹線を日本から持ってくるというような、昔ながらの巨大プロジェクトで労働者に仕事を作るという基本的な政策になっているんですね。オバマ前大統領やクリントン元大統領はベンチャーの経営者などの自由競争で経済は良くなって、人々の生活もそれに引っ張られるものだと考えているので、公共事業に大きな税金を掛けて所得を移転して…というのはあまりやりたがらないタイプです。 質問者A 小さな政府から大きな政府になったようにも取れて、アメリカの昔ながらの感じにシフトしたようにも思えますが。 春日 そうですね、今回そこが分からないところで、トランプ自身も分かっていないと思います。 小山田 補足すると、連邦政府の予算は大きく分けると、義務的経費と裁量的経費の2種類があります。義務的経費というのは社会保障費のような、大きな政府に繋がる費目を含みます。人件費や、毎年出ていく国債の償却費も義務的経費です。裁量的経費はその時々の方針である程度自由に決められるもので、今回の大統領予算案も基本的にはこの裁量的経費に関するものです。義務的経費に手をつけようと思えば法律を変えなければいけなかったり、色々手続きが必要なので、大統領が変わったからと言って簡単に変えられるものでもありません。トランプが産業界に支出する、防衛費も増やすとなった時に何処を削ることになるのか、義務的経費まで変えて本当に大きい政府にするのか、他を削って全体としては小さい政府を目指すのか。共和党本来の考え方は小さい政府なんでしょうが、どうなるのかまだ読めないですね。 春日 トランプには4種類の支持者がいるんですね。産業界と福音派、政府は小さければ小さいほど良いと言っているリバタリアンと、今回新しく共和党支持にシフトした工業労働者です。彼らすべてに共通するのが、福祉予算は削るべきだという考えです。例えば工業労働者は、福祉予算は全部マイノリティや働けない人に行くものだと思っていて、それをプロジェクト経費に回して仕事を作ってくれれば自分たちは体は動くんだから働ける、稼げるようになると考えている。今は仕事がないから稼げないんだ、と。色々なメディアや報道を見ると、そう解釈しているようです。福祉予算をとにかく減らしたい人は共和党支持で、そこから先、浮いたお金をどうするのか、大プロジェクトを打つのか打たないのかというのはトランプも、支持者も分かっていないような気がします。 小山田 インフラは増やそうという話ですね。 春日 増やすとは言っています。 質問者B 私自身も研究者で、AAASのメンバーでもありますが、AAASって国民のための組織ではないですよね。科学者のための組織であって、科学者の権益をいかに増やすかという組織だと思っているんですが、会場に行かれた時にはどんな印象でしたでしょうか? 春日 基本的にはおっしゃる通りだと思います。ただ、最終的な目的は科学者、科学研究者の自由のため、科学が社会に受け入れられるようにしようということでは確かにあるんですが、そうなるためにはもっと倫理的にならなければいけない、色々なルールを作ってそれを守らなければいけない、説明責任も果たさなければいけないとか、科学の研究が社会の各層に満遍なく還元されるように心を配らなければいけない、そういう感覚は恐らく共有されています。1969年にベトナム戦争に協力する科学者が多すぎるというので学生たちがAAASの年次大会をジャックして麻痺させたことがあったんですが、それをきっかけに開かれた会議で、倫理的に正しい科学者というのはどういうものなのかというレポートが出されました。そういう検討が繰り返されて、今回の大会でも最新の事情を反映して科学者の倫理的な在り方を問い直すようなワークショップが複数ありました。最終的には当然自分たちの利益のためではあるんですが、その為には最低限守らなければならないルールがあるよねというところで社会とすり合わせをするための組織という側面が強いと思います。
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