前編:専門家はどこまで個人の見解を発信すべきか?

メタメタサイエンス・シーズン3「研究者とSNSのベストな関係を考える」

 前編:専門家はどこまで個人の見解を発信すべきか?

前編のみどころ

前編では慶應義塾大学環境情報学部准教授である大木聖子さんに、「ツイートするかせざるか、それが問題だ。専門家はどこまで個人の見解を発信すべきか?」という内容で話題提供いただき、2016年に発生した熊本地震の際に、実際に発信したツイートや研究室のメンバーとの会話、記者への対応を見直していきます。そして、その中で専門家は災害時にどう発信していくのがベストなのかを討論していきます。

また、新型コロナウィルスの感染拡大にともないSNSでは個人の見解が大きくわれていることが多く見られます。この状況はどうして起きてしまっているのか。真の専門家の情報が正確に伝わらないのはなぜなのか?を考えていきます。そこには、それぞれの正義があるかもしれません。

前編の後半では、研究者のSNS炎上を受け、続々と制定されている大学のSNSガイドライン。果たして本当にSNSガイドラインは必要なのか?研究者はどこまで自由に発信してもよいのか?今、まさに問題となっているSNS運用法に目を当て語りつくします。 SNSで発信される研究者が増えている時代だからこそ、今一度SNSとの向き合い方を考える機会が必要です。特に若手研究者の皆様、これからSNSで発信していこうとお考えの研究者の皆様には必見の内容となっています。

 

 

番組内容

SNSは研究者にとって即時的に研究成果や専門的な知識、思考を情報発信できる便利なツールですが、その発言によっては炎上することがあります。特に、震災や感染症といった国民全体に影響がある危機的状況下において、複数の専門家がSNSで発進した個人の見解が真っ向から対立していたり、国の発表と専門家の見解が異なる場合に、「誰の言葉を信じるか」という対立構造を生みがちです。

一方で、SNSはこれまで学術論文などの専門家以外の方が理解できない形式の著作物でしか触れることのできなかった情報を、自分の知識や考えを気軽に自分の言葉で情報発信して双方向的に交流できるため、科学と社会の橋渡し的な役割も果たしています。

研究者はSNSとどう付き合えばよいのでしょうか?特に、今まさに起きている危機や社会問題など、即時的な対応・行動が求められ、事実の検証に科学的な手続きを取ることが必ずしもできない場面で、科学者はどこまで個人の知識や経験から情報発信すべきなのでしょうか?炎上や分断をこえて、研究者とSNSとのベストな関係を語りつくします。

出演者

  • 岩崎渉(いわさきわたる) 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授

  • 川口慎介(かわぐちしんすけ) JAMSTEC 地球環境部門 主任研究員

  • 大木聖子(おおきさとこ)慶應義塾大学 環境情報学部 准教授

  • 標葉隆馬(しねはりゅうま)大阪大学 社会技術共創研究センター 准教授

動画はYouTubeからも視聴可能です。チャンネル登録よろしくお願いします。

 

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