アジアの大学の多くは、グローバルに認知されることの大切さを認識しつつある。大学の強みを測る方法はいくつかあるが、中でも『タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)』による世界大学ランキングが、世界中の大学にとってはおそらく最も有名な指標ではないだろうか。
THEの2019年度アジア大学ランキングでは、予想通り多くの中国の大学がランクを上げてきた。そんな中、大きなリードを見せた韓国の大学もある。事実、アジア大学ランキングの上位30 位以内に入った韓国の大学の数は日本の大学を上回る。
我々は、近年アジアの立ち位置を著しく押し上げた大学が取り入れた戦略を学ぶために調査を実施し、アジアのランキング内で大きな飛躍を見せた大学をピックアップした。その中の一つである延世大学を今回は特集する。延世大学は韓国の名高い私立大学の一つで、急激なランキングダウンから返り咲いた学校でもある。調査を通じて、大学が自らの弱点を分析し、システマティックに対策を実行してきたことがわかった。
延世大学のケーススタディは自学の改革と大学ランキング向上を目指す大学に、何らかの知見をもたらすはずである。