理科教育の可能性に迫る研究 知的謙虚さは身につくのか?

東海大学 児童教育学部 講師 雲財寛先生

理科教育の可能性に迫る研究 知的謙虚さは身につくのか?

前編の内容とみどころ

理科教育のメインの1つは仮説の検証です。まずは先生に不思議な現象を見せてもらい、なぜそんなことが起こるのか、仮説を立てます。そして、その仮説を検証するためにはどんな実験をすればよいのかを考え、実際に実験に取り組み、実験結果をもとにその仮説があっていたのか、間違っていたのかを判断するというものです。雲財先生はこのプロセスの中でも仮説を立てるという場面に注目し、ここで適切な支援をすることで知的謙虚さが身につくのではないかと考えています。では、いったいどのような支援をすれば小学生がうまく仮説を立てることができるようになるのでしょうか?また、本当に子供たちは知的謙虚さを身に付けることができるのでしょうか?雲財先生に教えてもらいました。特に理科教育に関わっている方は必見の内容です。

先生の研究では、子供たちの知的謙虚さや認知欲求などの能力や態度が、理科教育によってどれくらい伸びたかを判断しなければいけません。しかし、能力や態度がどれくらいの伸びたかというのを評価することは非常に難しいと思いませんか。雲財先生は知的謙虚さの研究が進んでいる心理学を参考に、その研究を理科教育に落とし込んで評価をしているのです。いったいどのように評価するのか、そして、どのくらい能力が伸びるのか、ぜひ動画でご確認ください。

 

 

番組内容

知的謙虚さとは、思考、考え、意見などに特化した謙虚さであり、自分の知識に過大な評価を持たず、誤りを認め、他者の考えを受け入れることがどれだけできるか、という態度のことです 。この知的謙虚さを育むことができれば、個々の学びの質が上がるだけではなく、SNSなどの普及で近年大きく問題となっている疑似科学や陰謀論などへの対処ができるようになるはずです。では、「知的謙虚さ」はどのようにして身に付けることができるのでしょうか。今回は小学校の理科教育で、知的謙虚さを育むことができる!と主張されている東海大学 児童教育学部 講師の雲財寛先生に本当に育むことができるのか?また、どのようにしてそれを評価するのか?教えていただきました。

 

雲財 寛(うんざい ひろし)

東海大学 児童教育学部 児童教育学科 講師

広島大学を卒業後、日本体育大学 大学院教育学研究科 助教に就任。2022年3月からは現在の東海大学 児童教育学部の講師として、理科教育を中心に,子どもの実態の解明や,特定の資質・能力の育成を目指す指導法の開発に取り組む。

 

くもM LABとは?

くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。

くもMプロフィール

大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。

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