大発見は否定から始まった!?光の謎に挑む理論物理の理研究者

京都大学白眉センター特定准教授 馬場基彰先生インタビュー前編

 大発見は否定から始まった!?光の謎に挑む理論物理の理研究者

前編の内容とみどころ

馬場先生の現在の研究との出会いは、博士課程の最終年度に物理の分野で開催されている、学生や若手研究者が集まり、世界中の研究者の講義を受けるという「夏の学校」にあります。

そこで講義を受ける中、とある先生と知り合ったことから始まりました。そして、その先生が紹介してくれたのがまさに現在研究を進めているまだ明らかになっていない光の物理的な現象の一つ『超放射相転移』。

紹介された当時の馬場先生は、まさか起きないだろうという疑いから入り、計算を始めるのでした。しかし、計算を進めていくと大きな発見をすることになります。馬場先生は一体どんな発見をしたのか?なぜ疑っていたのに計算をしようと思ったのか?先生と『超放射相転移』が出会ったエピソードは必見です。

また、馬場先生は皆様が想像するような試験管を使ったり、大きな実験装置を用いた実験を日々しているわけではありません。理論が正しいかどうかを計算によって確かめていきます。今回は普段目にすることが少ない理論物理の研究風景も見せていただきました。

 

番組内容

第6回は京都大学白眉センター特定准教授 馬場基彰先生。私たちの周りには光が溢れており、物を認識できるのは光を目が捉えているから。また、この地球上で生き物が生活できるのは太陽からの光が降り注いでいるからです。そのため、光の研究はこれまでも盛んにおこなわれており、多くの謎が解き明かされてきました。しかし、まだすべての謎が解き明かされたわけではありません。今回は私たちの生活には欠かすことのできない光の謎の一つを解き明かそうと日々研究されている馬場基彰先生に研究への愛を語っていただきます。

京都大学白眉センター特定准教授 馬場基彰先生インタビュー前編はこちら

 

(Photo By Naoki Miyano)

馬場 基彰(ばんば もとあき)

滋賀県出身で大学は大阪大学へと進学。その後、指導教員の移動をきっかけに大阪府立大学へと進学し、博士号を取得する。博士号を取得してからはフランスのパリ第七大学で博士研究員を3年間勤めた後、2012年には日本へ帰国、大阪大学理学研究科で博士研究員を務める。2015年からは博士課程教育リーディングプログラム特任講師として活躍し、2019年からは現在所属している京都大学へ。2021年1月からは白眉センター特定准教授として研究を進めている。

日本版AAAS設立準備委員会 委員長 Twitter

 

くもM LABとは?

くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。

くもMプロフィール

大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。

【TikTok】  https://www.tiktok.com/@science.kido
【Twitter】 https://twitter.com/science_kido
【科学ブログ】 https://www.science-kido.com/

Related post

チベットの研究を通して見えてきたもの

チベットの研究を通して見えてきたもの

自分自身のしたいことを貫いて進んできた井内先生だからこそ見える世界、今後、チベットの研究をより多くの方に知っていただく活動にもたくさん力を入れていくそうです。これまで歴史の研究について、そして、チベットのことあまり知らないという人にもぜひとも見ていただきたい内容です。
チベット史の空白を明らかにしたい 日本のチベット研究者

チベット史の空白を明らかにしたい 日本のチベット研究者

0世紀から13世紀頃までのチベットでは、サンスクリット語からチベット語に膨大な数の経典が翻訳され、様々なチベット独自の宗派が成立したことから「チベットのルネッサンス」と呼ばれますが、この時代について書かれている同時代史料がほとんどありません。この「チベット史の空白」を明らかにしようと、日々研究されている京都大学白眉センター特定准教授の井内真帆先生にお話を伺っていきます。
自由な環境を追い求め『閃』が切り開いた研究人生

自由な環境を追い求め『閃』が切り開いた研究人生

後編では、黒田先生がどうして研究者になったのか?どのような思いを持ち、日々研究されているのか?などの研究への愛について語ってもらっています。自由な研究環境を追い求め、自由な発想をされる黒田先生だからこそ、生まれる発見がそこにはありました。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *