生き物はいつから光り出したのか?発光生物の進化学の世界
名古屋大学高等研究院特任助教 別所上原学先生 インタビュー後編
- 動画インタビューくもM LAB
- October 20, 2021
後編の内容とみどころ
蛍と魚は全く違う生き物であるにも関わらず、どちらも光る能力を持っています。また、同じ昆虫であるカブトムシやチョウは光らないのに蛍だけ光ります。それらを踏まえると魚と蛍は独自に光る能力を獲得したと考えられるのです。
ただ、同じ昆虫の仲間同士ではどうでしょう。蛍と同じ昆虫であるヒカリコメツキは光ります。では、蛍とヒカリコメツキは光る共通の祖先を持っていたから光っているのか、それとも魚と同じようにそれぞれが独立に光る能力を獲得したのでしょうか。
実はこの答えについて、これまで推測することしかできませんでした。しかし、最近では遺伝子を解析する技術が大きく向上し、その答えを出すことができるようになったのです。
蛍とヒカリコメツキは共通祖先を持つのか?それとも独自に能力を獲得したのでしょうか?別所先生に教えてもらいました。今、進化学は面白い時代に突入しています。
そして、番組の後半では光る生き物たちが溢れる海の中で、初めて光りだした生き物は何なのか、先生の研究成果を元にした最新の仮説について詳しく説明していただいております。後編も前編同様たくさんの光る生き物たちの映像が出てきますので、美しく光る生き物たちの姿にもご注目ください。
番組内容
実は私たちの住んでいる地球には、気がついていないだけで光る生き物がたくさん生息しています。例えばホタルやホタルイカ、ウミホタル、クシクラゲなど、たくさんの発光生物たちが光っているのです。そして、海の中では、生き物の75%が光ると言われており、その多さには驚かされます。では、彼らはこの地球の歴史の中でいつ発光能力を獲得したのでしょうか。
今回は名古屋大学で発光生物の進化の研究をされている別所上原学先生に詳しくお話を伺いました。
名古屋大学高等研究院特任助教 別所上原学先生 インタビュー前編はこちら
別所 上原 学(べっしょ うえはら まなぶ)
名古屋大学 高等研究 特任助教
名古屋で生まれ、名古屋育ち、名古屋大学へと進学する。進化学に興味があったことと、発光生物に魅了され、発光生物の研究者を志す。博士号を取得後はモントレー湾水族館研究所(MBARI)で博士研究員を2年間経験し、現在、名古屋大学高等研究院の特任助教を務める。
くもM LABとは?
くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。
くもMプロフィール
大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。
【TikTok】 https://www.tiktok.com/@science.kido
【Twitter】 https://twitter.com/science_kido
【科学ブログ】 https://www.science-kido.com/