膨大な遺伝子配列から精神神経疾患の原因を見つけ出す

CBSコラボ パート8

膨大な遺伝子配列から精神神経疾患の原因を見つけ出す

前編の内容とみどころ

精神神経疾患の原因は脳の細胞にあると考えられているため、患者さんと病気が無い人の脳の設計図であるDNA配列がどう違うかを確かめることで、その原因を明らかにできるはずです。しかし、脳は分厚い頭蓋骨に覆われており、脳の細胞を直接観察することはとても困難となります。では、どのようにして調べれば良いのでしょうか。

私たちの身体は細胞からできており、その細胞1つ1つはDNAというA、T、G、Cの塩基配列からなる設計図を持っています。例えば手の細胞からDNAを採取したとしても、その細胞は手の設計図だけを持つのでなく、目、鼻、口、骨、筋肉や血液の細胞など、身体中すべての設計図が含まれているのです。つまり、脳の設計図を見るために脳の細胞を採取しなくても、血液や唾液に含まれている細胞の遺伝子配列を調べることで、脳の設計図を調べることができます。髙田先生はこういった手法によって、どういった遺伝子配列が疾患に関係しているのか、また、配列の特徴がどのような遺伝子にあるのかを調べているのです。

遺伝子配列はどれくらいの規模で調べるのか?膨大な数の遺伝子配列を読み解くにはどのようにすれば良いのか?そして、研究によってこれまでにどのようなことが分かってきたのか?などなど髙田先生に教えていただきました。ぜひ、動画で確認してみてください。

 

 

番組内容

統合失調症、気分障害、自閉スペクトラム症等の精神神経疾患は、患者さんやそのご家族の人生に大きな影響を与えうるものです。しかし、どうしてそれらの症状が起こってしまうのか、その根本的な原因はまだわかっていません。理化学研究所 脳神経科学研究センター(理研CBS:RIKEN CENTER FOR BRAIN SCIENCE)とくもM LABのコラボ企画第8弾。臨床医と基礎研究の二刀流で精神神経疾患の原因を分子レベルで明らかにしようと日々研究されている分子精神病理研究チーム チームリーダー 髙田 篤先生にお話を伺っていきます。

 

髙田 篤(たかた あつし)

分子精神病理研究チーム チームリーダー

最新鋭のテクノロジーを駆使して、精神神経疾患の分子病理を解明し、その「病理学」を再定義するとともに、疾患メカニズムの理解に基づいてデザインされた診断・治療・予防法を開発することを目指す

 

くもM LABとは?

くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。

くもMプロフィール

大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。

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