太陽で起きている反応を発電に利用する!? レーザー核融合反応の研究
大阪大学 レーザー科学研究所 藤岡 慎介教授
- インタビューくもM LAB動画
- January 10, 2024
前編の内容とみどころ
太陽は地球の100倍以上の大きさがあり、さらに質量にいたっては、なんと、地球の33万倍以上にもなるのです。このようにものすごく大きくて重い太陽は、その重力も大きく、太陽の中では、驚くべき反応が起きます。その反応とは、太陽の約90%を占めている水素同士が合体するのです。水素同士は合体すると、ヘリウムとなります。そして、この反応により、ものすごいエネルギーが生み出され、太陽は輝いているのです。この反応は「核融合反応」と呼ばれています。もし、この核融合反応を起こし、発電に利用することができれば、原子力発電よりも安全に発電することができるかもしれないのです。
番組の前半では、大阪大学のレーザー科学研究所で、核融合反応の技術を実用化レベルまで引き上げようと、日々研究されている藤岡慎介教授に、どのようにして核融合反応を起こすのかについてお話してもらいました。地球上で人類が、太陽の中のような、ものすごい圧力の中で起きているような反応を、どうやって起こすのでしょうか?また、核融合反応の技術はどこまで進んでいるのか?詳しくお話してもらっています。近い将来、発電のメインになるかもしれないとても注目の技術です。
先生はレーザー研究の最先端を駆け抜けておられます。番組後半では、そんな先生が持つ独自の視点、そして、今後の10年のレーザー研究についても語ってもらっています。レーザーだけではなく、宇宙の研究にも興味のある方にも必見の内容です。ぜひ、ご覧ください。
番組内容
太陽がどうして輝いているのか知っていますか?何かが太陽の中で燃えている?いえ、そうではありません。太陽の中では、水素と水素が合体し、ヘリウムが生れる反応が起きており、この反応のおかげで、太陽は輝いているのです。そして、この反応は「核融合反応」と呼ばれています。もし、この核融合反応を地球上でうまく利用できれば、原子力発電で大きな問題となっている放射性廃棄物や安全性などの問題を、解決できると期待されているのです。今回は核融合反応の実用化に向け、日々、研究されている大阪大学 レーザー科学研究所 藤岡慎介教授にお話を伺っていきます。
藤岡 慎介(ふじおか しんすけ)
大阪大学 レーザー科学研究所 教授
大阪大学工学部原子力工学科を卒業後、同大学院工学研究科電気電子情報工学専攻博士に進学、助手着任のため博士後期課程を退学した後,2005年に博士(工学)を取得する。その後、大阪大学助手、助教、准教授を経て現在の教授に着任した。2017年からはローレンスリバモア国立研究所客員研究員としても活躍している。高速点火方式によるレーザー核融合の原理実証を目指す。また、高速点火レーザー核融合研究を通じて,極限プラズマ科学を展開している。
くもM LABとは?
くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。
くもMプロフィール
大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。
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