赤外線でみる宇宙とは!?宇宙望遠鏡で星形成の謎に挑む研究者

広島大学 宇宙科学センター 稲見華恵先生インタビュー 前編

 赤外線でみる宇宙とは!?宇宙望遠鏡で星形成の謎に挑む研究者

前編の内容とみどころ

私たちは夜空に輝く美しい星々を見ることができます。しかし、それはあくまで目で捉えることのできる光を認識しているだけなのです。光は波の性質を持っており、その波の波長のほんのわずかな範囲しか私たちの目は捉えることができません。

このように私たちが捉えることのできる光を可視光線と呼んでいます。そして、この可視光線よりも波長が短い光は紫外線、波長が長い光が赤外線となります。私たちには見ることはできませんが、宇宙には可視光線だけではなく、星々が放つ紫外線や赤外線といったたくさんの光があふれているのです。

稲見先生はこのような光の中でも特に、赤外線を用いて宇宙を観測されています。では、赤外線で見る宇宙と紫外線で見る宇宙とでは何が違うのでしょうか?わかりやすく解説していただきました。

また、2021年12月に打ち上げられたNASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はこれまでに打ち上げられた宇宙望遠鏡よりもはるかに大きい鏡を持っており、その大きさは6.5 mになります。鏡の大きさが大きければ大きいほど宇宙の細かいところまで観測することができます。そのため、これまで人類が見ることができなかった赤外線宇宙の世界を見ることができると期待されているのです!

そして、稲見先生もこのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測を予定されており、今後、どんな新しい発見が生まれるのかがとても楽しみです。では、1つしかない宇宙望遠鏡を世界中の研究者でどうやって共有しているのでしょうか?今回は宇宙望遠鏡を使って観測するまでにどのようなプロセスが必要なのかというところも教えていただきました。

また、そもそも何故地上では無く、莫大な費用をかけ、宇宙に望遠鏡を打ち上げて観測する必要があるのか?そんな疑問にも答えてもらいました。知られざる宇宙観測の研究方法に迫ります。宇宙に興味がある学生の皆様は必見です!

番組内容

星は町明かりが大きい都会ではあまり見ることができません。では、街から少し離れてみればどうでしょう。人が生み出す夜景、イルミネーションも確かに綺麗です。

しかし、夜空には、目を奪われ吸い込まれるような、そして、何か語りかけてくるような美しい星の輝きが数えきれないほど広がっています。ただ、綺麗な星空も宇宙の魅力のほんの一面にすぎません。

第9回のくもM LABでは、私たちが見ている光とは違う光を使って宇宙を研究されている広島大学宇宙科学センター稲見華恵先生にお話を伺っていきます。

 

広島大学 宇宙科学センター 稲見華恵先生インタビュー 後編はこちら

 

稲見 華恵(いなみ はなえ)

広島大学 宇宙科学センター 助教

2007年に明治大学理工学部物理学科を卒業後、総合研究大学院大学へと進み、宇宙科学を専攻。同学在学中より米国カリフォルニア工科大学の研究チームに加わったのをはじめ、米国国立光学天文台やフランス国立科学研究センターで研究職に携わり、グローバルに活躍。2019年からは現職である広島大学の宇宙科学センターに助教として着任。宇宙の謎と向き合う日々を過ごしている。

くもM LABとは?

くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。

くもMプロフィール

大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。

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