チベット史の空白を明らかにしたい 日本のチベット研究者

京都大学 白眉センター 特定准教授 井内真帆先生

チベット史の空白を明らかにしたい 日本のチベット研究者

前編の内容とみどころ

7世紀ごろ、今の中国のチベット自治区、甘粛省、青海省、四川省、雲南省にまたがる広い地域は、吐蕃王朝に統一され、栄えていました。面積にしてなんと、日本の約10倍。西ヨーロッパ全体の面積に相当する広さを誇りました。しかし、9世紀には、吐蕃王朝は崩壊し、この辺りを統一する王朝は無くなってしまいます。チベットは混乱期へと突入するのです。

そして、10世紀に入り、混乱期が続く中、チベットでは、膨大な数の経典が、古代インドで使われていたサンスクリット語から、チベット語に翻訳され、チベットでは様々な宗派が生まれていくことになります。しかし、混乱期であることから、他の時代に比べ、この時代について書かれた資料は少なく、「チベット史の空白」と呼ばれていたのです。

2000年以降には、当時の行者たちが使用していたとされる多くの経典が新たに見つかり、井内先生は、これらの経典を解読することで、「チベット史の空白」と呼ばれる時代に、宗教がどのように移り変わっていったのかを調べています。現代のような交通手段が無かったなかで、チベットの膨大な範囲を、宗教はどのように伝わっていったのか?また、発掘された経典から、どんなことが見えてきたのか?先生に詳しくお話を伺っています。ぜひ、動画でご確認ください。

番組内容

10世紀から13世紀頃までのチベットでは、サンスクリット語からチベット語に膨大な数の経典が翻訳され、様々なチベット独自の宗派が成立したことから「チベットのルネッサンス」と呼ばれます。しかし、この時代について書かれている同時代史料がほとんどないため、この時代は「チベット史の空白」とも呼ばれているのです。本日はそんな「チベット史の空白」を明らかにしようと、日々研究されている京都大学白眉センター特定准教授の井内真帆先生にお話を伺っていきます。

 

井内 真帆(いうち まほ)

京都大学 白眉センター 特定准教授

2008年 大谷大学より博士(文学)を取得、その後、大谷大学任期制助教、神戸市外国語大学客員研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)、ハーヴァード大学南アジア学科研究員、青海民族大学客員研究員、日本学術振興会特別研究員(RPD)などを経て2021年より現職。白眉プロジェクトでは、「チベット文化圏の基盤解明のための綜合的研究-中世チベット仏教伝播後期について-」の研究課題のもと、チベットの中世初期に関わる新出文献の調査収集及び解読に取り組んでいる。

 

くもM LABとは?

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くもMプロフィール

大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。

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