すべての現象で利用できるモデルは存在するのか?統計的な機械学習の研究

京都大学 白眉センター 包含先生

すべての現象で利用できるモデルは存在するのか?統計的な機械学習の研究

前編の内容とみどころ

例えばChatGPTなどの人工知能に教えて欲しいことを入力すると、すぐに解答を出してくれます。もちろんそれぞれの人工知能によって得意なこと、不得意なことがあり、まだまだ万能の人工知能とは言えませんが、うまく使いこなせば、仕事の効率化や素早い情報収集が可能となります。また、最近では映像や絵なども作成してくれる生成AIが主流となってきており、私たちの生活を一気に変え始めました。そんな人工知能を支えているのが『統計的な機械学習』であり、与えられた膨大なデータから、正しい答えを導き出す計算をする必要があります。そのため、計算機科学者たちは、いかに正しい答えを導き出せる数式を作れるのか、日々研究を重ねているのです。

今回は京都大学白眉センターで、統計的な機械学習の研究をされている包含先生に、統計的な機械学習の研究とはどのようなものなのか?また、どのように数式を導きだしていくのか?優しく解説してもらっています。

そして、番組後半では、この動画のテーマでもある、「全ての現象で利用できるモデルはできるのか?」包先生に問いかけてみました。はたして、何にでもつかえるような万能の人工知能は誕生するのでしょうか?その答えはぜひ、動画で確認してみてください。

機械学習の論文はこの十年で10倍以上にもなっており、今まさにもっとも注目されている研究分野の一つと言っても過言ではありません。私たちの生活に欠かせない人工知能について知りたい!という方には必見の内容となっております。

番組内容

私たちの生活を一気に変え始めたChatGPTなどの人工知能。人工知能に質問を入力すると、我々が求めている答えを、いとも簡単に教えてくれます。そして、それらを支えているのが統計学に基づく機械学習の研究であり、人工知能をうまく機能させるには、膨大な情報を入力し、その中から正しい答えを出力できるように計算をしなければいけません。では、まさに今、実用化されているような人工知能の能力を成立させるために、どのような計算がなされているのでしょうか。また、すべての現象で利用できるモデル、つまりは、万能の人工知能は存在するのでしょうか?今回は、まさに今、大きな注目を集めている機械学習の研究を日々されている京都大学白眉センター特定助教の包含先生にお話を伺っていきます。

 

 包 含(つつみ ふくむ)

京都大学 白眉センター 特定助教

2022年3月に東京大学大学院情報理工学系研究科にて博士課程(情報理工学)を取得。学位記授与式では総代を務めた。同4月より京都大学白眉センター特定助教。大学院では、教師あり学習の損失関数の設計と理論に関する研究に携わった。大学院卒業後は損失関数の理論に軸足を置きつつ、表現学習や最適化理論へと研究の裾野を広げている。著書に『Machine Learning from Weak Supervision: An Empirical Risk Minimization Approach』(MIT Press、共著)。2023年船井研究奨励賞受賞他、受賞多数。

 

くもM LABとは?

くもM LABはサイエンスコミュニケーターであるくもMが様々な分野の研究者にお話を聞きに行くことで、研究者の皆様の生態を暴いていくバラエティー番組。どんな研究をしているのか?どうして研究者になったのか?など、研究者のあれこれを引き出していきます。

くもMプロフィール

大阪府立大学理学系研究科生物化学専攻。製菓会社に勤務後、『身近な科学を通じて、子供も大人も学びを遊びに』をモットーに、科学実験教室やサイエンスショーなどの活動を運営しています。

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